視覚障害者と新型コロナ(3) ~あんまマッサージの業界が、たいへんだ!~



半年前、視覚障害について当事者である金子さんから話を聞いたチョコさん(小学校5年生)は、最近「新しい生活様式」にとまどう視覚障害者を取り上げた新聞記事を立て続けに見ることとなった。

「新しい生活様式」以外に視覚障害児が困っていることがないか、金子さんに聞いてみると・・・。

チョコ:最近「新しい生活様式」にとまどう視覚障害者を取り上げた新聞記事を、立て続けに見たよ。

生きづらさ抱える視覚障害者 新しい生活様式、感染防止の取り組み「壁」に
https://this.kiji.is/641468221153428577?fbclid=IwAR3Z-MOjvWU8nVBX2eAtAEPHGJ69NYb3be-itRSCsVMFro9JZeOK0xuQ5Qo

視覚障害者「外出できぬ」接触必至ヘルパー頼みづらく ソーシャルディスタンスが壁に
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kobe/nation/kobe-20200608001?fbclid=IwAR0yr5ScHGRwuuoTvTNvXUGan5ukbzoHbEkTUcvw-tx8HZDu2y9zqY8qUYE

金子:こうして取り上げてもらうことで、視覚障害者が困っていることに気づく人もいるんだ。ありがたいな。

チョコ:ところで、「新しい生活様式」以外で新型コロナウイルス感染症がはやったことで視覚障害者が困っていることってないのかな?

金子:あるよ。どんなことがあるか、わかるかな?

チョコ:そういや近くの治療院、目が見えない人が経営されているんだけど、マッサージを受けにくる人がすごく減ったみたい。

金子:そうそう、伝統的に多くの視覚障碍者が従事しているあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの業界は、新型コロナの影響がとても大きいんだ。「不要不急ではないから」、「マッサージしてくれる人と密に接することになるから」と、マッサージを受けに行くことをひかえる人も出てきている。

チョコ:緊急事態宣言が解除されたからといって、すぐにお客さんがもどってくるわけじゃないんだね。
金子:「密になることは避けましょう」という呼びかけは、続けられているからね。高齢者の介護施設に訪問マッサージに行っていたけれど、施設側から訪問を断られている。旅館でマッサージをしているけど、そもそも旅館にお客さんが全然来ないなんて人もいる。

チョコ:大きな会社で従業員のマッサージをしているヘルスキーパーさんは、影響あるのかな?

金子:緊急事態宣言が出てから(またはその少し前から)今も、ずっと仕事が休みという人もいるよ。
チョコ:ずっと? 緊急事態宣言が解除されてから、しばらくたつのに?
金子:企業の中には、いまも社員に在宅で勤務するよう求めているところがあるの。みんな会社に来ないとなると、ヘルスキーパーだけ会社に来てもしょうがないからね。

チョコ:お仕事が減ると、お給料も減っちゃう?

金子:まず、マッサージをしている人って毎月決まったお給料が入ってくる人って、そんなに多くないと思うんだ。どちらかというと、仕事した分だけ収入が得られるという人のほうが多いんじゃないかな。

チョコ:そうなると、お仕事少なかったら収入も減っちゃうね。お給料もらえる人は、安心かな?
金子:そうでもないんじゃないかな。休業になって、もらえるお給料が少なくなっている人もいると思う。あと、いつまで今勤めている会社で働き続けられるのか不安になってくる人もいるかもしれないね。
チョコ:みんな不安なんだね。いろんなところでマッサージのお仕事されている人がいると知って、びっくりした。夏休みの自由研究で、あんまマッサージについて調べてみようかな。

金子:それは、いい考えだね。あんまマッサージについては、こんな新聞記事や資料があるよ。

<新型コロナ>感染警戒でマッサージ離れ 視覚障害者の生計直撃
東京新聞 3月30日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/17354

日本視覚障害者団体連合
視覚障害者のあはきによる就労
http://nichimou.org/employment/ahaki-work/

チョコ:今からさっそく見てみる!

※このやりとりは、フィクションです。
 でも、チョコさんのように視覚障害者を気にかけてくれる人はきっといます。


ルーペ(視覚障害とコロナ)


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